
初心者でもロッドビルディングしてみたい!
敷居が高いロッドビルディング。
初心者でもロッドビルディング出来たので、その作り方を解説します。
この記事はこんな方にオススメ!
◾︎初めてロッドビルディングする方
◾︎ロッドビルディングの流れを知りたい方
◾︎カッコいいロッドが欲しい方
今回は渓流釣り用3.7ftのグラスロッドをチャンピオングリップとグラスソリッドで製作していきます。
YouTubeでも作り方を紹介しているので、動画が見やすい方はこちらから飛べます。
必要な材料

グリップはチャンピオングリップと花梨瘤材で製作していきます。
ちなみにチャンピオングリップでは扱えないリールも多く、とても重いので正直渓流釣り向けではありませんが、そこはロマンでカバーします。笑


グラスソリッドはHitotoki Worksさんのグラスソリッドを使用しました。
価格も安価でグラスソリッド自体もミノーイングにも対応できるような張りがあります。

ブランクスが白色では味気ないので、今回はしごき塗装でブランクスをブラウンに塗装していこうと思います。
グリップ破壊

グリップ製作する前に、形はコルクグリップと同じ形にしたいので花梨瘤材に線入れをしておきます。

先ずはコルクグリップをペンチで破壊していきます。

ある程度コルクグリップが外せたら、今度はカッターナイフなどで残ったコルクと接着剤を剥がしていきます。
接着剤はヒートガンなどで熱すると取れやすくなりますが、熱しすぎには注意が必要です。
グリップ製作

バンドソーが無いので糸鋸で花梨瘤材をグリップの形に切っていきます。

切り出せたらチャンピオングリップに入るように穴開けをしていきます。
センターを出してキリで窪みを作り、ドリルビットで穴開けをしていきます。

ボール盤などあれば真っ直ぐに穴開け出来るのですが、無いのでインパクトでできるだけ真っ直ぐに穴開けをしていきます。
小さいドリルビットから穴開けをして、最終的に径12mm、深さ12cmの穴開けをしました。
穴開け時にドリルビットの掘りたい深さの場所にマスキングテープをしておけば、掘りすぎる心配もありません。
穴開けはグリップを見て径と深さを決めましょう。

穴開けが完了したらしっかり嵌るか確認しておきましょう。

ベルトサンダーが無いので気を付けながらディスクグラインダーで成形していきます。
この時に削り過ぎないように注意しましょう。

#80-#1000のサンドペーパーで形を整えていきます。
サンディングは納得いくまで、こだわるならコンパウンドで磨くのもあり!

成形が完了したらチャンピオングリップと作ったグリップをエポキシ接着剤で接着していきます。
この時にチャンピオングリップに接着剤が付かないようにマスキングテープをしておきましょう。

製作したグリップを差し込んだら24時間硬化させておきましょう。

完全に硬化したら、オイルフィニッシュしていきます。
今回はリンシードオイルを使って2度塗りします。
オイルフィニッシュはニス仕上げと違いメンテナンスが必要になってきます。

最後に蜜蝋クリームで仕上げて、24時間乾燥させたら…

グリップの完成です!なかなか自分好みにカスタマイズできました。

重さはなんと約173gとめちゃくちゃ重い!
グラスロッドもグリップもリールも重いので、最重量級のタックルに仕上がる予定です。
しごき塗装

グラスソリッドを白からブラウンに塗装する為に今回はしごき塗装という技法を使います。
まずはしごき塗装用の塗料の入れ物を作っていきます。
始めにスペアラバーにライターで熱した針で穴を開けます。

家にあったポリ茶ビンがスペアラバーとシンデレラフィットしたのでこれを使って入れ物を作っていきます。
ライターで熱したカッターナイフで画像の様な形にポリ茶ビンを切り出します。

キャップにスペアラバーを入れ込み、蓋を締めればしごき塗装用の塗料の入れ物の完成です。

塗装の準備としてグラスソリッドを#800のサンドペーパーで磨きます。

下地にはミッチャクロンを吹いていきます。
この作業はしなくても良いですが、した方が塗料の乗りがよくなるのでオススメです。

下地が乾燥したら塗料を作っていきます。
しごき塗装専用のウレタンバーニッシュとブラウンの着色料を使って塗料を作ります。
●主材 : 3ml
●硬化剤: 1ml
●着色料: 0.4ml
この割合でよくかき混ぜて塗料を作ります。

グラスソリッドをバット側を下にしてバイスなどで固定します。
作った塗料入れをスペアラバーの穴からグラスソリッドに通してなるべく下でセットします。

そこに塗料を入れて、均一なスピードで引き抜きます。
引き抜いた後に塗料を置く場所を作っておかないと、塗料が溢れてしまうので注意!

少しムラはありますが、おおよそ上手く塗装出来ました。
ブラウンというよりレッドっぽい色合いですね。
ブラウンクス製作

1000mmのグラスソリッドですが、900mm-1000mmはストレートなので100mmカットしてしまいます。
僕は小渓流などの方がよく行くので、なるべく短いロッドが好みの為です。

先ずはスパインというブランクスの背骨部分を探します。
軽く曲げてクルクルすると柔らかい箇所と硬い箇所が見つかります。
柔らかい場所の反対側がスパインとなり、ベイトロッドの場合は基本的にこちら側にガイドを取り付けることになります。
グラスロッドにスパインがあるのか?ここがスパインなのか?スパインは一つなのか?と探り探りでやりましたが、正直何となくで製作しました。詳しい方、コメント欄でコツなど教えていただけると嬉しいです。

フェルールをエポキシ接着剤で接着して、着脱可能なブランクスに仕上げます。
ぴったり合うものを使っているので、隙間埋めの工程は無しで進めていきます。
チャンピオングリップの強みはシチュエーションに合わせてブランクスを変更できるところです。

トップガイドの上側がスパイン側になるように、エポキシ接着剤でトップガイドも接着して24時間硬化させます。

ガイドをライターで炙ってグルースティックとマスキングテープで仮止めしていきます。
グルースティックだと仮止めが難しいので、ロッドビルディング専用のガイドセメントなどの商品を買った方が無難です。

ガイドの間隔は画像の通りに仮止めしました。
ガイドの間隔は、購入サイト等にモデル例があるのでそちらを参考にしています。

スレッドの巻始めにマスキングテープを巻いておきます。
今回は8mm幅でスレッドを巻いていきます。

金のスレッドを飾り巻き用として、赤のスレッドをメインスレッドとして巻いていきます。
先ずは飾り巻き用の金のスレッドの本線が下になるようクロスさせます。

先ずは右手の親指でクロスした部分を押さえます。

次に左手の人差し指でクロスした部分を押さえ直します。

右手で金のスレッドの本線を持って、左手はスレッドが緩まないようにブランクを回転させます。

3周くらいスレッドを巻いたらスパイラル状に巻き付けて、マスキングテープで固定しておきます。

飾り巻きの上から同じようにメインスレッドを巻いていきます。
このスレッド巻きが1番最初はめっちゃ苦戦します。
でも一本作り終わる頃には多少出来るようになっていて、また次も作りたくなるハズです。笑

3周くらいしたら飾り巻き用のスレッドとメインスレッドの端糸3本はハサミで切っておきましょう。

ここまで来れば左手は話しても問題ないです。
ぐるぐると残り3mmになるくらいまで隙間無く巻いていきましょう。

残り3mmくらいで抜き糸を挟んで巻きます。
糸は何でもいいので今回は飾り巻きに使用していたスレッドを使います。

巻き終えたらスレッドを少し残して切って、抜き糸に通します。

巻き終わったら抜き糸を引っ張って抜いて巻いたスレッド内に納めます。
飛び出したスレッドを切ってスレッド巻き完了です。

仕上げで硬い棒などでスレッドを擦ると隙間が無くなり綺麗になります。
仕上げ専用のバーニッシングスティックという商品もあります。

バット部には同じように飾り巻きとデカールを貼り付けておきます。

スレッド巻きが終わったら、フィニッシングモーターにブランクスを取り付けてコーティング作業していきます。
フィッシングモーターは買うことも出来ますが、十分自作可能です。
作り方はトップのYouTubeの動画内で解説していますので、気になる方は動画をチェック!

エポキシ・コートという商品でコーティングしていきます。
この時に幅が広いものでかき混ぜた方が気泡が少なくて済みます。

平筆の7mmくらいでエポキシをコーティングしていきます。
ネーム部分は横塗りでスレッドは縦塗りです。。
僕はネーム部分も縦になってしまいボコボコになってしまいました…

一度に大量に塗らずに薄く3回塗りしましょう。

一度塗ったら、染み込みを良くするのと気泡を取る為にアルコールランプでササっと軽く炙ります。
ライターなどでやると煤が着くので注意です。

後はこのまま24時間硬化させたら‥

ブランクスの完成です!
色々ムラありですが、ロッドビルディング初心者でも完成できました!
完成

グリップにフェルールを差し込んで接続します。
ブランクスだけ持っていれば、シュチュエーション毎にブランクスだけ交換できます。

全てセットしたらこんな感じ!いい!
3.7ftの渓流グラスロッドですが、とにかく重い!解禁までに慣れなくては!
いくらかかった?




概要はこんな感じ!
思ったより高い!ただ材料もだいぶ残っているものもあるので、2個目を作れば次は多少安いはず。
まとめ

スレッド巻きでは心が折れかけましたが、ロッドビルディング初心者でもなんとか渓流グラスロッドを製作することができました。
自分で作ったロッドで釣り上げる一尾は格別のはず!
自分の好みに作れるロッドビルディング、是非トライしてみてください。




